釣り竿の継ぎ[ジョイント]フェルールについて
竹竿の様に手元から先に掛けて細くなる、継ぎの無い釣り竿の曲がりは、しなやかで美しい。
出来れば、強度的にも優れた竿先から手元のグリップまでブランクスが貫通したワンピースの竿を使いたい。
現実問題的に長い釣り竿を持ち運ぶには、破損も踏まえて一部の竿や輸送手段を除いて不可能です。
飛行機で遠征する際にも203cm~280cmの長さ規制が有り、航空会社によって違うので確認が必要です。
この長さ規制の為に携帯性に優れた3分割以上に分割されたマルチピースロッドが増えた様ですね。
竿を分割する継ぎ方にも色々と種類が有り、良い点や悪い点が有るので下記に記載します。
その他にも継ぎ竿を扱う際の注意点が有るので、最後までお読みください。
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印籠[いんろう]継ぎ
ジョイント部に別の竿素材のパーツ[芯]を使う事によって内径で接続、細身な仕上がりになる。パーツ点数が増え、調整も二重に増えるので高価になる。
継ぎ竿の中では、スマートに竹竿の調子の様に曲がります。
下記のロッドは、印籠継ぎで最後の元竿だけバットジョイントです。
並継ぎ
手元部分に竿先[穂先]側を差し込み外側で接続する為、バットが太くなります。その為バットパワーが強くなり、大物竿に使われる様ですが、シマノのウルトラライト[UL]ロッドにも採用されていました。
シイラロッドは金属の口金で補強され、ULロッドはスレッド巻のエポキシコーティングで補強されている様ですね。
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逆並継ぎ
一番多くルアーロッドに採用されている様で、曲げ調子は良い様です。元竿に竿先を被せる方式なので、緩みが出たら継ぎ部分から抜けてしまいますよ。最悪、ヒビが入り折れてしまいます。
振り出し竿
磯上物竿など長い釣り竿は、振り出しが一般的です。石鯛竿などは、曲げ調子を優先して印籠継ぎと強度を重視した並継ぎ竿が有る様ですね。
振り出し竿の曲がり調子は難しく、しなやかに曲がるようにジョイント部を細くすると折れてしまうし、逆に強度を優先すると継ぎの部分がカクカクした重い竿になります。
しなやかな曲がりが無くなった竿は、タメが使えず強度的にも弱くなってしまいます。
下の写真は小継ぎの振り出し5mタモの柄ですが、魚を取り込む時にに伸ばしたり仕舞ったりする回数が多く、継ぎ部分にも負担が掛かります。
継ぎが重なる部分にハカマと呼ばれる太く加工した部分が有り、弱くなりがちな合わせ部分を強化しちます。この強化された部分がタモの柄が重くなる原因でも有ります。
魚を取り込み時に戻そうとしたタモの節が戻らない事が有ります。大体は節の部分に水分が入り、伸ばした節同士の結節部分が真空状態になり、戻らなくなります。
そのままの状態で暫く放置すると戻る事も有りますが、釣具店に有る餌用の巨大冷凍庫に入れて、冷やしてやると直ぐに固着した部分が解消される事も有りますよ。
暑い時期などは、更に釣竿の素材が熱膨張して抜けなる事が有ります。上記と同様に冷やしたら解消される事も有ります。
バットジョイント
殆どの大物狙いのルアー竿は、強度を優先したバットジョイントの並継ぎが採用されてますね。
継ぎの箇所で、ここが一番抜けにくくなり困ります。ガイドを掴んで回すとガイドが曲がるし、最悪ペンチでブランクスを挟んで回して、潰してしまい交換したり買い替えの事例も有ります。
暫く経っても抜けなければ、アフターサービスの有る釣具店に相談してください。
新しく購入した竿には、節が固着する前とジョイント部分の緩み防止に「フェルールワックス」を、薄く塗る事をお勧めします。[一部、ワックスを推奨していないロッドを除く。]
「印籠継ぎのロッドで節がキッチリと最後までハマらない。」と紙ヤスリで削る方がいますが、それは間違いです。
不格好に見える数センチから数ミリの隙間は遊び部分で、徐々に摩擦で削れて遊び部分は数年で無くなってしまいます。私のシイラロッドも遊びが完全に無くなり、「フェルールワックス」を塗り、抜けを解消して使っているが魚が掛かっても問題有りませんでしたよ。
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最後に印籠継ぎや並継ぎロッドなど、投げる動作が多いルアーロッドのジョイント部分は確実に緩んできます。
緩んだまま投げてしまうと、節の部分が破損したり最悪、糸が切れて抜けた竿先が飛んで行ってしまう事も有ります。
重いルアーを投げていた時に起こった私の経験談です。
ジョイントの緩みが無いか、釣りの最中には常にチェックしましょう。
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